尿が赤い、茶色っぽい(血尿)、血の塊が出る
尿に血が混じる血尿は、腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれかから出血していることを示すサインです。出血の程度により下図に示すように色調が変化します。目で見て判断できる肉眼的血尿は、膀胱がんなど重要な病気の可能性もあるので、早々に泌尿器科を受診しましょう。また、健診などで指摘される尿潜血(顕微鏡的血尿)も頻度は少ないですが、がんや結石などの疾患が潜んでいることもありますので、一度精密検査をお勧めします。
血尿スケール
【血尿の原因】
悪性腫瘍:
腎細胞がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がんなど
尿路結石症:
腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石
尿路感染症:
腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎
その他
腎動静脈奇形、腎動静脈の走行異常、特発性腎出血、外傷、運動性血尿、内科的要因(腎炎、IgA腎症)など
【検査】
検尿:
実際に血尿があるか、また、血尿の程度を調べます。
尿細胞診:
尿中にがん細胞がないかを調べます。
超音波検査:
腎臓、膀胱、前立腺などを調べます。
血液検査:
必要に応じて採血をおこないます。
内視鏡検査:
膀胱がんが疑われる場合、また、出血の部位を見きわめるため、尿道から膀胱内に内視鏡を挿入し、観察します。
レントゲン検査:
尿路結石症が疑われる場合に腎臓から膀胱の範囲を撮影します。
CT、MRI検査:
さらに精査が必要な場合におこないます。
【治療】
悪性腫瘍:
手術、抗がん剤、放射線治療など
尿路結石症:
手術、内服治療(鎮痛剤、排石促進薬など)
尿路感染症:
抗生物質(内服または点滴)
その他
腎動静脈奇形、特発性腎出血:対症療法(止血剤)など
外傷:保存的治療、手術
運動性血尿:経過観察
腎炎、IgA腎症:内科的治療